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ラティメリアは夢を魅る


01. 無音に向かう

内にいる僕のような影が語りかけている。
僕はその声を捕らえようとして、耳を塞いでいる。

02. シーラカンス

真夜中 目が覚める 静寂の箱の底
時計は止まっている 迷子の意識の中
流れに逆らうよう まもなく夜も明ける
光が差している いつか見た夢を照らす

押し寄せた感情の螺旋は ノイズの波に飲まれた
鼓動と鼓動が重なっている 瞬間は化石になった
言葉にならなかった想いは 浮かんで泡になってゆく
手と手が繋がる気がしてた 流転の物語

僕は君を知らない 泳ぎ方もぎこちない
君は僕を知らない その時まで、、

僕は君を知らない 泳ぎ方もぎこちない
君は僕を知らない その時まで、、戻れたら
もう溺れることもない? 見失うこともない?
迷子の海に潜って探している

眩しすぎる日差しの向こうに いつか見る景色が浮かぶ
藍と蒼と黒の境界で 静かに見上げているんだ
波に消されていく息遣い その音に耳をすませば
確かに記憶に存在する 不変の物語

03. 蜃気楼

(それには触れることはできないが確かに存在している。)
(意識はそれを理解しており、そう認識している。)

04. 砂漠の蝶

忘れかけてた情景に 灼熱の風、吹き抜ける
零れた想いをあつめて 陽炎にとけたフルーツ
選んだ未知の果てにある 枝分かれした結末は
ゆらめく蜃気楼の中 ルビーの魅惑に溺れてる

幻想の籠を抜け出して 真実の鍵に触れてみたくて
砂の城を崩す時に私がはじまるの!

ラストダンスはきっと冬の夜 ひらひらと舞う雪のよう
見せかけのロジックの空で操り糸で踊らされる

砂漠に落ちた 果実をひとつ、

幻想の闇を切り裂いて 運命の君に触れてみたくて
浮かぶ三日月の光が私を魅せる
もう一歩 君に近づいて 現実の鎖を切り裂いて
砂の羽を壊す時に私がはじまるの!

05. 閃光

輝きの中で影は実態を成して、こっちを見ているようだった。
僕はその手に触れてみたくて駆け出したんだ。

06. 周極星と蒼の音

手を伸ばせば 掴めるかな
星の海が夜を包んで照らし出すよ 菫の空

月の影のそのまた奥で 僕らふわり宙を舞って
浮かぶ君の 声は遠く
そっとまぶた閉じて 見つけた

回り出す物語 子午線を超えた!
震える声さえも 引き連れて
僕の扉叩く 音に目を開く
明日見たはずの夢がここにある!

僕たちは宙を舞って 知らない駅を通り過ぎる
揺れる景色 シルクの雲

ガラス越しに光る宝石 闇に放つ 意思は強く
口ずさんだ琥珀の詩 まだ見えぬ明日に触れたら

動き出す物語 雲を突き抜けた!
確かな道なんて無いけれど
僕の扉叩く 音に目を覚ます

昨日見たばかりの夢を形に!

始まる物語 子午線を超えた!
震える声さえも 引き連れて
明日の荷物を用意したら すっと
夜明けの街へ 星が流れていった

そっと流れ落ちた

07. ラティメリアの夢

深く深くの箱庭の底 昔のままの変わらない場所
その静寂を映し出すもの 光の果てを僕は知らない

土の色した記憶の中に閉じ込めたのは押し花のよう
春の匂いを忘れる前に 内側の声 聴かせて

身体委ねて言葉の先へ 止まった時間取り戻すように
うまく言えないこともあるだろう
物語の終わりを誰に伝えるだろう?

遠い未来の変わりゆくもの もしも見えたら
何を探そう 何を話そう 何を残そう
時計の針は動き出している

深い意識の眠りの中で 光を探し面影を追う
その静寂を映し出すもの 目覚めの時を待ってる

身体委ねて進化の先へ 時の果てまで届く歌声
癒えない傷も持ってゆくだろう

物語の終わりに君は何を魅る?

08. 時の潮流

(触れることはできない。けれど確かに存在しているもの。)
(僕はその感触を思い出そうとして、時の波間を泳いでいる。)